「サピエンス全史」を読んだ。
ここ数年に読んだ本の中では一番示唆に富んだ本だったように思う。
人類がどこからきて、どこに行こうとしているのかを今までにないスケールで描いている。
単なる過去の歴史という視点以上に、今後の人類がどうなっていくのかという考察までが含まれている。
過去、人類は多くの発明や発見をしたが、そうした発明や発見をした先達の多くは、コンピュータもインターネットも知らないまま死んでいった人がほとんどだ。
今ほど誰でもが多くの知識、情報に触れることができ、自由にふるまえる時代は過去なかったように思う。
ありとあらゆる好奇心が満足させられる状況が出現したのだ。
好奇心を満たされた好奇心は、それで決して満足しない。
好奇心は、新たな好奇心を生むのだ。
だからこそ、人類、生物、地球、宇宙、世界を解釈する知識が爆発的に増大しているのだろう。
もはや特異点(シンギュラリティ)を超えてしまっているのは明らかだ。
それは恐慌を引き起こすまで際限なく成長を続ける経済の状況にも似ている。
しかし、その行き着く先は誰にもわからないが、そこに行きついてしまうことは皆が判っている。