自由と平等の問題は、古くて新しい問題だ。
自由と平等は、ある意味二律背反なのだ。
自由を尊重すると不平等が生まれ、平等を尊重すると不自由になる。
言うまでもなく生物は弱肉強食によって進化してきた。
強いて言えばそれは命を懸けた自由競争の世界である。
人類もまた、狩猟社会から農耕社会、工業社会へと進化を遂げたが、どの時代も自由競争こそがその推進力になったのは間違いない。
しかし、過度の自由競争は軋轢を生む。
そのため、自由競争による富の偏在を是正するため、平等の名のもとに富の再分配を行ってきた。
尊重すべき価値観が、自由なのか平等なのかという問題は簡単には結論は出ない。
どちらも行き過ぎれば矛盾を露呈するからである。
機会の平等を確保したうえで、自由競争を保障する仕組みこそが必要なのだと思う。