万人にとっての究極的な価値、それは「自由」であることだと思う。
何を選択し、どこに移動し、誰と話をし、何をするのか。
法律違反をしたり、他人に迷惑をかけない限り、人は自由なのだ。
現役で仕事をしていた頃は、自由な時間がたくさん欲しいと思っていた。
その制約のない自由を手に入れてみると、意外にもてあましていることに気づく。
自由であるということは、すべての選択、決定を自分の責任でしなければならないということだ。
その背後には、間違った選択、決定をするかもしれないという不安がいつもあるのだ。
そうした選択、決定を誰かに委ねることで、実は楽に生きられるのだということに気づいた。
そんな不安から逃れるため、人は宗教に心の平安を求めるのかも知れない。
ジョージ・バーナード・ショーのこんな格言がある。
The fact that a believer is happier than a skeptic is no more to the point than the fact than a drunken man is happier than a sober one.
信仰を持つものが無神論者より幸せだという事実は、酔っ払いがしらふの人間より幸せだという事実と何も変わりはしない。