ayuminokuni’s diary

人生をよりよく生きるために

節税対策

税理士の仕事の中で大きな部分を占めているのは『節税対策』ではないかと思う。

支払う税金を合法的に少なく抑えるのが腕のいい税理士と世間が認識しているからだ。

しかし、考えてみれば、何らかのスキル、ノウハウを使うことによって節税が可能になってしまうということ自体が、税金の制度設計がそもそも杜撰である証拠なのだ。

かつて、金融審査の仕事をしていた頃、個人事業主の売上の過少申告は、程度の差こそあれ常識だった。

会計処理は本来、1円単位で厳密なものだが個人の決算においてはそうでもないらしい。

以前に問題になった地方議員の政務調査費問題も根っこにある価値観は同じである。

偽造は論外だが、形式的に辻褄が合えばいいという発想である。

現在のように、電子マネーやコンピュータ処理が普及してくれば手間をかけずとも厳密な会計処理と納税の申告は、やる気さえあれば可能だろう。

税収こそが国を維持する根幹の財源であるにもかかわらず、何らかの抜本的な対策が講じられないというのは驚くべきことだ。

『節税』という言葉が、一般名詞として市民権を得ていること自体が問題なのだと思う。

 

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