ayuminokuni’s diary

人生をよりよく生きるために

クワガタとDNA

最近、さる昆虫学者からこんな話を聴いた。

ある種のクワガタは、縄張り争いの時に2本の角をハサミの様に使い、相手の足を切断して地面に落とすような攻撃をするものがいる、とのこと。

足を切断されたクワガタは、もはや木の上に戻ることができなくなるため、蟻などのエサになり命を落とす。

以前に、動物はメスをめぐる争いをしても最終的に相手の命を奪うことはない、ときいていたが昆虫には例外がいるらしい。

これは、自分の子孫、種を残そうとするDNAのなせる技だという。

同性の種を殺して、自分だけが繁栄したところで、種全体の絶対数が減ってしまえば種の存続は難しくなる。

全体として種が数を増やさなければ、自分の子孫が種を増やす機会も増えないからである。

昆虫の場合、一回の生殖で残す子孫の数が多いためこんなことが起こるのだろう。

すべての生物は例外なく、自分の種を残そうとして生きている。

その結果、これほどの多様性のある生物が地球上に出現したのだ。

生物の究極の目的は、自己の繁栄だけなのだろうか。


最近のナショナリズムが台頭する国際社会を見ながら、こんなことを考えた。


多様性を認め、共存出来る社会を目指すことこそが人類の知恵であるように思う。

相手の命を奪う、クワガタの角を人類は手にしてはいけない。

 

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