ayuminokuni’s diary

人生をよりよく生きるために

公務員の資質

最近、テレビで「健康で文化的な最低限度の生活」というドラマを放送している。

生活保護受給者を支援する、新米の地方公務員、ケースワーカーの物語だ。

安定と平凡を求めて公務員になった主人公が、現実社会の中で様々な事情を抱えた受給者との関わりの中で、迷い、奔走し、成長していく内容になっている。

現実にありそうな悲惨な話を紆余曲折はあるものの、何となくみんなが納得できるような結末に持っていく展開は、ドラマとしてはよくできていると思う。

ドラマを観ていて感じたのは、公務員にとって必要な資質とは何だろう、ということだ。

公務員試験では、法律や経済、一般教養などの知識が求められる。
しかし、本当に必要な資質は、多くの知識ではなく、人としての高潔さではないかと思う。

残念ながら、今の公務員試験の制度では、公務員志望者の内面的な人としての高潔さまではわからない。
面接試験も行われてはいるが、それを評価する側のスキルも疑わしい。

最近の文科省財務省などの高級官僚の不祥事は、まさにこうした公務員の採用、人事の制度的な不備が原因である様に思う。

ほとんどの昇進試験や資格試験は、知識を問うことが主体になっている。
しかし、現実社会で知識を持っていることに、どれほどの価値があるだろうか。事務処理は、システム化、マニュアル化され、誰にでもできる仕掛けが作られているからだ。

残念ながら、民間企業は高潔な人間を求めてはいない。なぜなら、企業の目的は利潤の追求だからだ。

公務員や政治家にとって、高潔さこそが、優先順位の高い資質だと思う。

しかし、現実にはそうなっていないし、高潔さのかけらもないような人間がトップに立てしまう国や組織も散見される。

まったく不幸なことだが、これが現実なのだと受け止めることが解決の第一歩かもしれない。

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