ayuminokuni’s diary

人生をよりよく生きるために

最近の子育て事情

 自分の子ども3人の子育てが終わって、昨年12月には初孫が生まれた。

気がつけばぐるっと回って一世代分の時間が経過したのだ。

初孫が生まれて最近の子育て事情が気になっている。
一体どうなっているのかを考えてみた。


それぞれの親には、それぞれの子育ての事情がある。
それはどこの家庭でも同じです。
人類が過去ずっと続けてきた、子育てという営み。
これが、現代、最近の母親、父親にとって、意外に大きな負担なっている。
それは一体なぜなのでしょう。

江戸時代、子育ては必ずしも母親だけの役目ではなかったらしい、むしろ、父親の役目という価値観だったようです。
父兄という言葉に、その名残があります。

かつては子育ては、地域ぐるみでするものでした。
江戸時代、子どもが生まれると、実際の親以外に、多くの「親」がいたとも言われています。
子どもを取り上げた「取り上げ婆(産婆)」
生まれてすぐに乳を飲ませた「乳付け親(乳親)」
名前を付けた「名付け親」
子守をした「守親」
婚礼の際の「杯親(仲人親)」など
多くの「親」の名を持つ大人が、子どもとかかわりを持ち、生涯にわたって見守り、育て、応援していたのです。
現在は、そうした地域のコミュニティが希薄になりました。

貧しい時代だったので、夫婦は共に働くのが普通だったせいかもしれませせん。
また、出産で母親が亡くなるケースも多かったのも一因です。

その後、明治時代になり、男たちを仕事や徴兵に専念させるため、良妻賢母の思想が広まり、子育てが母親の役割だという価値観が定着していきます。
戦前は、産めよ増やせよの時代。
その頃の世代は、兄弟が何人もいるのが普通でした。

そして、戦後、高度経済成長の後、晩婚と少子化が進みました。
女性にとって、「仕事と子育ての両立」が事実上不可能な状態が出現。、
だからこそ、晩婚と少子化が進み、社会問題化しました。

残念ながら、政府は、子育て支援という名の現金をばらまくだけで、現実的な解決策は提示できませんでした。

地方から上京して就職した男女が結婚し、共稼ぎで、都心のマンションに住み、子育てをする。
不安の中で孤立し、追い込まれていく姿というのは想像に難くありません。

わたしが子どもの頃には、何かあると、家にあがり込んで食事を食べさせてくれたり、面倒を見てくれる近所のおばちゃんが、たいていいたものです。

少子化核家族化が進み、子どもの数が減っているのに、逆に育児の負担が増えるというパラドックス」。
 
これこそが、目から鱗の現代社会における子育て事情のように思います。

つまり、江戸時代から明治、大正、昭和の時代に形を変えつつ存在していた、子育てのための社会的コンセンサスと自然発生的なインフラ。
現在は、それが崩壊した時代なのかもしれません。

そうした子育ての社会的コンセンサスと何らかのインフラの構築、これこそが喫緊の課題であり、少子化対策の切り札であるように思います。

 

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