ayuminokuni’s diary

人生をよりよく生きるために

しあわせとは、何だろう?

人は、幸せを求めて右往左往する。

幸せに必要不可欠なのは、『経済』なのだと思う。

近代になるまで、ほとんどの時代、経済は、今ほど豊かではなかった。生命を維持していく為の食糧を人力で生産し、余剰の付加価値を生み出すことは、意外に大変な作業だからである。実際、江戸時代には何度となく飢饉が起こっている。
人類の過去を振り返ると収奪と殺戮の歴史であることがわかる。
より豊かになるために、誰かの富を奪ったり、誰かを奴隷にするという行為は、普通に行われていた時代もあった。
人が集まり、集落を作り、やがて人々は中央集権的な国家を作り上げた。
さらに、周りの国々を併合し、植民地化することによって、自国の繁栄と安定を手に入れようとした。
いずれにしても、少ない富を潤沢に手にできたのは一部の支配層だけだったのである。
かつては、富を独り占めする事の正当性を担保するため、宗教が利用された。
宗教の多くは、天国の存在を謳っている。現世での幸せを約束できないので、来世での幸せを約束し、人々に希望をもたせようとしたのだ。宗教を信じる人の多くは、天国の存在を信じているが、天国への行き方については、それぞれの宗教で異なっていた。
一方、産業革命によって生産性が向上すると世界は一変した。
潤沢に付加価値を生み出すことができるようになったからだ。付加価値を産み出す生産手段と労働者を確保することに人々は奔走したが、一般大衆は、生産手段を手にした資本家から搾取されるだけの存在だった。
やがて、資本家と労働者の対立が激化した。
そして、資本主義者と共産主義者の対立が始まったのである。
資本主義者も共産主義者も経済成長によって現世に天国を生み出す事ができる主張した。ただ、具体的な手法については相違があり、イデオロギーという価値観の問題を争っていた。
個人的には、資本主義と共産主義の違いは、自由と平等のどちらを尊重するこという問題なのかもしれないと思っている。
結果として近年は、資本主義が勝利をおさめたように見える。そして、市場経済が形成された。
しかし、資本主義が最終的に理想的な社会体制なのかどうかの評価はもう少し歴史の審判を待たなければならない。
資本主義が勝利をおさめた要因は、人々の欲望をモチベーションとしたことである。
さらに、経済をゼロサムゲームと見なすのをやめて、あなたの利益は私の利益でもあるという、ウィンウィンの相互利益のアプローチをしたことで、天上の理想世界ではなく、現実社会での繁栄という奇跡を実現したのである。
資本主義は、世界中から飢餓をなくせるほどの成功をおさめたが、結果として飢餓はなくならなかった。経済的な豊かさが、更なる経済的な格差を生んでしまったからだ。
2016年、世界で最も富裕な62人が、最も貧困な36億人分と同じ資産を所有していると発表されて、世界を驚かせた。
しかし、3年後の2019年には、世界で最も富裕な8人が、最も貧困な36億人分と同じ資産を所有していると発表されたのである。
富裕層と貧困層の二極化がますます顕著になっているのは明らかだ。
人類は、環境を破壊しながら、今でも繁栄を続けている。際限のない拡大再生産は、どこかで行き詰まる。
SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標 )を叫んでみても、経済の拡大は止まらなかった。
しかし、コロナウィルスの蔓延で、経済は停滞したのだ。
食糧不足による生命の危機から脱却した人類は、感染症の危機にさらされる事によって、経済よりも優先すべき何かがあると気づいたはずなのだ。
 
最初の問いに戻ろう。
 
しあわせとは、何だろう?

 

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