平成19年6月の改正教育職員免許法の成立により、平成21年4月1日から教員免許更新制が導入された。
教員免許の更新には、10年ごとに30時間の講習が必要だという。
こうした制度の問題点は、教員免許の更新を拒否された人が出た場合、その措置が恣意的なものでないということの証明することが困難な点である。
仮に、全員が免許の更新が許されるなら更新手続きに意味はない。
かつて、最高裁判所による裁判官の再任拒否が問題になったことがあるが、同様のことが起こる可能性もある。
また、人の命に係わる医師免許に更新制度がないのも不可解だ。
プロの仕事とは、素人にはわからないからプロなのだと思う。
プロの仕事を数値化することにより客観的に評価しようとする試みは、数値化してしまった時点で言葉にできないものや測定不能の成果が無視され、多様性や複雑さがそぎ落とされ、専門職の非専門職化という矛盾に陥る。
プロとは職人なのだ。
職人の世界は、資格というお墨付きに頼らないからこそ職人なのだろう。
かつて一世を風靡したテレビドラマ、『金八先生』「腐ったみかんの方程式」の中で、金八先生が言い放った言葉が耳に残る。
『私たちはみかんを作っているのではない、人間を作っているのだ!』