サラリーマンの現役時代は、金融の仕事を36年間してきた。
お金にまつわる悲喜こもごもの出来事が日常的に起こる。
お金で人生が変わったり命を落とす人もいるが、考えようによってはお金で解決できる出来事はたいした出来事ではない。
世の中には、お金で解決できないことがいくらでもあるからだ。
それでも、お金は魔物だと思う。
融資案件で、よく感じたのは100万円の融資と1億円の融資は、金額は100倍違うが、担当者の手間はほとんど同じということだ。
だったら、100倍利益の出る案件を扱う方がいい。
もちろん、実際には100倍の利益は出ないが、それでもスケールメリットは大きな魅力である。その誘惑に人は勝てない。
お金の金額は物理的なサイズではない。価値という目に見えない力を数字に置き換えているだけである。
だから、いくらでも溜めこむことが可能だし、人間のお金に対する欲望も際限がない。
生活が維持できる以上のお金を使って、人は何をしたいのか?
お金は持っているだけでは意味がない。使ってなんぼのはずだが、実際には溜めこむことが目的になっている人もいる。
多くの人はお金がたくさんあれば、それで幸せになれると思っているのだ。
その呪縛から逃れるのは難しい。
やはり、お金は魔物である。