私の理解では、東西の冷戦時代、資本主義と社会主義の問題は、自由と平等の対立の問題だったように思う。
単純化すると、人類が希求するもっとも尊重すべき価値とは、自由なのか、平等なのかという問題である。
その後、ソビエト連邦が崩壊した。
カール・マルクスが主張した、資本主義は、やがて社会主義、共産主義に移行し平等で理想的な世界がおとずれる、という理論は瓦解したのだ。
だからといって資本主義が勝利したわけではない。
人間の「自由な欲望」が勝利したのだと思う。
高度に発達した資本主義においては、貧富の差はますます拡大し続けている。
もはや理念は存在しないのかもしれない。
「自由な欲望」は拡大を続け、自国ファーストの価値観が蔓延しているように見える。